禅問答 : 宅配ボーイに暴行
- Author
- tomo
- Authorised Time
- 1998-02-18 07:04:00+09:00
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- 作品公開
うららかな春の宵の口、和尚の寝室に小僧が慌てて飛び来んだ。
- 小僧
- 「和尚様。 ねえ、和尚様ったらぁ。」
- 和尚
- 「どうした小僧。 ワシは眠いのじゃ。 野暮用なら明日にでもしてくれい。 」
- 小僧
- 「大事な話でございます。 和尚。 先日、甲高い美声の男性歌手が、宅配ゲイ・ボーイに乱暴を働いた件についてですが…。」
- 和尚
- 「フムフム、期待していたのと違った宅配ボーイに幻滅したという話じゃな。 …それがワシを起こす程の一大事か。 」
- 小僧
- 「如何にも、和尚。 私は思うのですが、乱暴以前に、宅配ゲイ・ボーイが売春禁止法違反で問題にならなかった事を疑問に思っているのです。 もしやこれは、差別なのではないですか?」
- 和尚
- 「なんじゃ、そんな事か…。」
- 小僧
- 「そんな事とは何です、和尚!! 私は竹槍を持って議事堂に直訴に行こうかと思っておりますのに。 」
- 和尚
- 「議事堂に司法はないぞよ。 いや、それは兎も角、本題じゃ。 …聞くが、小僧。 一輪の菊は、果たして春の花なのであろうか?」
もはや返す言葉は無かった。 小僧は己の修行不足を悟り、すごすごと寝室を後にするのであった。
庭では春だというのに、何やらワセリンの香り漂う菊が風にそよいでいるかの様に感じられた。